2019/10/13 08:41
『文明崩壊後の世界の短編二篇・学園コメディ・人間と「機械」の物語』内の一篇です。
西暦3945年。
第二次世界大戦後に「モーゲンソー・プラン」が実行されたパラレルワールドのドイツ(南ドイツ連邦共和国)が舞台。
主人公の少女・アンネはレーゲンスブルクの小間物商に奉公に出ていたが、有給休暇を取得して故郷のミュンヘンに戻る。
彼女は、実家で友人たち(ユダヤ人の質屋の子孫レベッカ・ポーランド人の貧乏貴族の子孫ゾフィア・ロマ人の大道芸人の子孫マリカ)と再会し、中庭で他愛もないよもやま話に花を咲かせる。
そんな最中、アンネのお祖母さんが鉱石ラジオを抱えて中庭に来る。
お祖母さんによると、どうやら南ドイツ連邦共和国政府広報室から重大発表があるらしい。
14:00、鉱石ラジオから放送されたその「重大発表」とは...?
SF的小道具として、「自己修復機能を具えた有刺鉄線」「連合国が禁止したテクノロジーを調査する査察ロボット」等を描写してみました。
また、「モーゲンソー・プラン」とは、第二次大戦中に連合国によって提案されたドイツ占領計画のひとつで、ドイツの工業インフラを徹底的に破壊して、この国が二度と強国として立ち上がれないように弱体化させるための懲罰的な政策だったそうです。
本作品では、現実世界では流れた「モーゲンソー・プラン」がもし実行されたとしたら...?というIF世界の物語と言えます。
皆さんも「文明が崩壊した世界」の魅力を、存分に味わってみましょう!